特集 血球のトラフィッキング ~分子基盤から病態まで~
序 血球のトラフィッキング ~基礎と臨床における最新の知見~
安川正貴
1
Masaki Yasukawa
1
1愛媛大学大学院 医学系研究科 血液・免疫・感染症内科学(第1内科) 教授
pp.1367-1370
発行日 2013年9月30日
Published Date 2013/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/52013101367
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造血系の機能恒常性を保つためには,造血幹細胞や血球の局在と,その体内移動が正しく制御されることが重要である。血球は分化に伴って造血組織から末梢血に動員され,全身の臓器・組織を循環し,それぞれの場で様々な細胞と相互作用を行い,その機能を発揮している。最近,血球トラフィッキングの分子機構の詳細が明らかにされる一方,その破綻が様々な疾患の病態に深く関わっていることが明らかにされつつある。さらに,その人為的制御による,難病に対する新規治療法の開発も進んでいる。ここでは,造血系の細胞トラフィッキングの分子基盤から病態解析に関する最新の知見を,それぞれの分野でご活躍の先生方に解説していただいた。また,骨髄微小環境や血球トラフィッキングの可視化についての最近の進歩についても紹介していただいた。