特集 骨髄学 ~造血ニッチ研究から見えてきた形態学から分子基盤まで~
序 ~血球学から骨髄学へ~
片山義雄
1
Yoshio Katayama
1
1神戸大学医学部附属病院 血液内科 講師
pp.309-311
発行日 2015年2月28日
Published Date 2015/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201503017
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これまでの血液学は,造血幹細胞から始まる血球分化系譜と,それに必要な各種転写因子やサイトカインなどを明らかにすることで発展してきた,言わば「血球学」である。しかし,近年の研究で,これら血球の運命は血球自身のプログラムだけでなく,周囲の環境によって強く制御されていることが具体的に示されるようになってきた。この血球と環境の関係を紐解くことで,造血システム研究は「血球学」から初めて,臓器としての「骨髄学」に昇華した。