特集 血球のトラフィッキング ~分子基盤から病態まで~
1.免疫担当細胞のホーミング
田中稔之
1
,
大野喜也
2
Toshiyuki Tanaka
1
,
Yoshiya Ohno
2
1兵庫医療大学 薬学部 生体防御学 教授
2兵庫医療大学 薬学部 生体防御学 助教
pp.1371-1380
発行日 2013年9月30日
Published Date 2013/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/52013101371
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免疫細胞は血管系とリンパ系を交通路として生体内を移動し,病原体の侵入を監視している。ナイーブリンパ球は二次リンパ組織を巡回し,樹状細胞は末梢組織で異物を捕捉するとリンパ節へ移動する。二次リンパ組織で抗原刺激を受けたリンパ球は遊走特性をリプログラムして末梢組織に移住し,エフェクター機能を発揮する。免疫細胞の遊走特性の変換やリンパ組織内での局在の変化は,免疫記憶などの高次応答と密接に関連することも明らかにされつつある。本総説では,免疫系を機能的に統合する免疫担当細胞の遊走制御機構について,最近の知見を概説する。