特集 血球のトラフィッキング ~分子基盤から病態まで~
5.血球トラフィッキングとGVHD
橋本大吾
1
,
豊嶋崇徳
2
Daigo Hashimoto
1
,
Takanori Teshima
2
1北海道大学大学院 医学研究科 血液内科学
2北海道大学大学院 医学研究科 血液内科学 教授
pp.1409-1419
発行日 2013年9月30日
Published Date 2013/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/52013101409
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急性移植片対宿主病では,ドナーT細胞がリンパ組織で活性化され,標的臓器に遊走して臓器障害を発症させる。この一連のT細胞トラフィッキングを司るセレクチン,インテグリン,ケモカイン,生理活性脂質などは,急性移植片対宿主病の予防・治療の有望な標的となることが,主にマウスモデルを利用して研究されてきた。さらに最近,CCR5阻害剤などの有効性が臨床試験で証明され,細胞トラフィッキングを標的とした急性移植片対宿主病予防法に対する関心はますます高まっている。ここでは,これまでにマウスモデルや臨床研究で得られた知見をまとめて記す。