特集 血管炎とアレルギー疾患 -内因性・外因性アジュバントの関わり-
Ⅱ.癌ワクチン療法における免疫アジュバント
長門利純
1
,
熊井琢美
2
,
大栗敬幸
3
,
小林博也
4
,
原渕保明
5
Toshihiro Nagato
1
,
Takumi Kumai
2
,
Takayuki Ohkuri
3
,
Hiroya Kobayashi
4
,
Yasuaki Harabuchi
5
1旭川医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座/病理学講座免疫病理分野講師(学内)
2旭川医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座/頭頸部癌先端的診断・治療学講座助教
3旭川医科大学病理学講座免疫病理分野講師
4旭川医科大学病理学講座免疫病理分野教授
5旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座教授
pp.748-755
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201806748
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腫瘍関連抗原が1990年代に同定されて以来,癌ワクチン療法の研究が急速に進んだが,多くの臨床試験において抗原蛋白やペプチドのみを投与しても期待される程の効果は得られなかった。ワクチンによる腫瘍特異的T細胞の誘導には免疫応答を活性化するアジュバントの使用が重要であり,副作用が少なく抗腫瘍免疫応答を増強するアジュバント開発を目指して多くの研究が行われている。本稿では,ペプチドワクチンにおける免疫アジュバントの併用に関して,Toll様受容体リガンドを中心に概説する。