特集 血管炎とアレルギー疾患 -内因性・外因性アジュバントの関わり-
Ⅰ.微細粒子によるIL-1誘導とアレルギー性炎症
黒田悦史
1
,
小張真吾
2
,
日下部峻斗
3
,
石井健
Etsushi Kuroda
1
,
Shingo Kobari
2
,
Takato Kusakabe
3
,
Ken Ishii
1医薬基盤・健康・栄養研究所ワクチン・アジュバント研究センターアジュバント開発プロジェクト上級研究員/大阪大学免疫学フロンティア研究センターワクチン学研究室/国立研究開発法人科学技術振興機構さきがけ
2医薬基盤・健康・栄養研究所ワクチン・アジュバント研究センターアジュバント開発プロジェクト特任研究員/大阪大学免疫学フロンティア研究センターワクチン学研究室
3医薬基盤・健康・栄養研究所ワクチン・アジュバント研究センターアジュバント開発プロジェクトプロジェクトリーダー/大阪大学免疫学フロンティア研究センターワクチン学研究室特任教授
pp.740-747
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201806740
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近年,大気中に存在する微細粒子による健康被害が懸念されている。これらの微細粒子は,吸入により肺の深部に到達し,アレルギーをはじめとする慢性炎症を引き起こすと考えられている。アレルギー性疾患は過剰な免疫応答が引き起こす疾患であるが,吸入された微細粒子がどのような機序で免疫応答を惹起して,アレルギー性炎症を誘導するのかについては不明な点が多く残されている。最近になり,微細粒子が様々な免疫学的機序で炎症性サイトカインであるIL(interleukin)-1を誘導し,肺の炎症反応を惹起するということが明らかになってきている。