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第1土曜特集 ワクチン設計のサイエンス
総論
安全性研究からのワクチン・アジュバント設計
Vaccine adjuvant design from safety studies
佐々木 永太
1
,
水上 拓郎
1
,
浜口 功
1
Eita SASAKI
1
,
Takuo MIZUKAMI
1
,
Isao HAMAGUCHI
1
1国立感染症研究所 血液・安全性研究部
キーワード:
アジュバント
,
ゲノミクス解析
,
インフルエンザワクチン
,
バイオマーカー
,
経鼻ワクチン
Keyword:
アジュバント
,
ゲノミクス解析
,
インフルエンザワクチン
,
バイオマーカー
,
経鼻ワクチン
pp.971-975
発行日 2021年12月4日
Published Date 2021/12/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27910971
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近年,有効性の高い感染症予防ワクチンの開発が進んでおり,mRNA(messenger RNA)ワクチンやDNAベクターワクチンをはじめとして,ワクチンモダリティの多様化が進んでいる.一方で,スプリットワクチン(SV)や組換えワクチンの有効性を高める戦略として,アジュバントの添加が有効であることから,多様なアジュバント添加ワクチンの開発が行われている.有効性の高いアジュバントは強い免疫賦活化作用をもつものが多く,副反応の原因ともなりやすい.このことから,アジュバントの有効性は副反応発症と密接に関わっており,有効性と安全性の両者を考慮したワクチン・アジュバント設計が重要である.近年,ゲノミクスやトランスクリプトームのようなオミクス解析を毒性学や免疫学に応用するシステムバイオロジーの進展がめざましく,迅速かつ効率よく情報を取得することが可能になりつつある.このような手法をアジュバント開発に応用することで,安全性と有効性評価が効率化され,アジュバントシーズの発掘が促進されることが期待される.
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