特集 血管炎とアレルギー疾患 -内因性・外因性アジュバントの関わり-
Ⅲ.内因性アジュバントと自己免疫疾患
飯島則文
1
,
石井健
2
Norifumi Iijima
1
,
Ken Ishi
2
1医薬基盤・健康・栄養研究所サブ・プロジェクトリーダー
2医薬基盤・健康・栄養研究所プロジェクトリーダー/ワクチン・アジュバント研究センター・センター長
pp.756-763
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201806756
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感染症を予防するために使用されるワクチンには,標的となる抗原のみならず,投与する抗原特異的免疫応答を増強するアジュバントが加えられている。現在のところ,ワクチンに含まれるアジュバントが自己免疫応答を惹起するという確証はないが,病原体感染が自己免疫疾患の発症機序に関与しているとの報告が多い。病原体に感染すると,様々な組織の炎症や,内因性アジュバントとなりうるサイトカインや細胞内構成タンパク質が放出され,慢性的に組織や細胞を破壊することが自己の組織を傷害する機構に大きく関与していることが示唆される。本稿では病原体感染による内因性アジュバントと自己免疫疾患との関連性について概略した。