Japanese
English
第1土曜特集 ワクチン設計のサイエンス
総論
アジュバント
-――In situワクチン,感染症予防,非感染性疾患への応用
Adjuvant
――Application to in situ vaccines, prevention of infectious diseases, and non-infectious diseases
小檜山 康司
1
,
石井 健
1
Koji KOBIYAMA
1
,
Ken ISHII
1
1東京大学医科学研究所感染・免疫部門ワクチン科学分野
キーワード:
アジュバント
,
ワクチン
,
in situワクチン
,
免疫予防薬(immunoprophylaxis)
Keyword:
アジュバント
,
ワクチン
,
in situワクチン
,
免疫予防薬(immunoprophylaxis)
pp.953-960
発行日 2021年12月4日
Published Date 2021/12/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27910953
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
アジュバントはラテン語で助けるという意味をもつ “adjuvare” を由来とし,ワクチン抗原と接種することでワクチン効果を持続させ,増強させる物質の総称であり,日本語では免疫賦活化剤ともよばれる.ワクチン開発においてアジュバントのもつ役割は非常に大きく,アジュバントによる自然免疫応答の活性化なしにワクチンが効果を十分に発揮することは難しい.実際に,多くの承認済みのワクチンには内因性または外因性のアジュバントが含まれており経験則的に使用されてきたが,近年の免疫学研究の急速な発展により,アジュバントによる詳細な作用機序が明らかとされてきた.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより,世界中でワクチンへの関心が高まり,アジュバントによる自然免疫応答への関心も高まっている.さらにアジュバントは単剤でがん免疫療法剤(in situワクチン)や感染症に対する免疫予防薬(immunoprophylaxis)としても有用であることが報告されている.本稿では,アジュバントの多様性と可能性を中心に解説する.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.