Japanese
English
第1土曜特集 ワクチン設計のサイエンス
総論
有機合成化学研究からのワクチン,アジュバント設計
-――ワクチンアジュバント開発における有機合成化学の貢献と新たな取り組み
Design of vaccine and adjuvant based on organic chemistry
井貫 晋輔
1
,
藤本 ゆかり
2
Shinsuke INUKI
1
,
Yukari FUJIMOTO
2
1京都大学大学院薬学研究科
2慶應義塾大学理工学部化学科
キーワード:
ワクチンアジュバント
,
自然免疫
,
有機合成
,
コンジュゲートワクチン
Keyword:
ワクチンアジュバント
,
自然免疫
,
有機合成
,
コンジュゲートワクチン
pp.976-981
発行日 2021年12月4日
Published Date 2021/12/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27910976
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
ワクチン開発の基盤技術のひとつとして,アジュバントの開発があげられる.自然免疫や関連するシグナル経路を活性化する天然有機化合物や生体分子は,ワクチンアジュバントとして開発が進められている.有機合成化学は,これらの分子の構造決定や機能解明において,高純度な活性体の量的供給といった観点から大きな貢献をしてきた.また,化学的手法を用いた構造変換により化合物を自在に設計・改良することで,アジュバント候補分子の性能改善や新たな機能の付与が行われてきた.さらに近年では,抗原分子とアジュバントの複合化などにおいても有機合成化学的なアプローチが大きな役割を果たしている.本稿では,Toll like receptor 4(TLR4)リガンドであるリピドAとナチュラルキラーT(NKT)細胞活性化剤であるα-galactosylceramide(α-GalCer)に焦点をあて,ワクチン,アジュバント開発における有機合成化学の貢献と新たな取り組みを概説する.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.