特集 最新の免疫学 ~自然免疫・獲得免疫~
7.ワクチン(アジュバント)デザインの新展開
大西元康
1
,
石井健
2
1独立行政法人 医薬基盤研究所 アジュバント開発プロジェクト
2独立行政法人 医薬基盤研究所 アジュバント開発プロジェクト プロジェクトリーダー [大阪大学免疫学フロンティア研究センターワクチン学・特任教授]
pp.699-705
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201302119
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感染症ワクチン,がんワクチンの分野において,アジュバントの有用性が注目され,さまざまな角度からアジュバント研究が行われるようになった。さらに自然免疫の解明に伴い,アジュバントの作用機序を分子レベルで理解できるようになり,得られた知見をベースにプロトタイプのアジュバントが改良され,効果および安全性がより一層高いアジュバントの創製が展開されてきた。本稿では獲得免疫におけるアジュバントの役割を概説するとともに,近年明らかにされつつあるアジュバントのメカニズムや合成アジュバント開発の取り組みについて,自然免疫の受容体,細胞内および細胞外のシグナル伝達の観点から述べる。