Japanese
English
特集 感染症ワクチンの現状と将来
2.ワクチンアジュバントの基礎と将来展望
Vaccine adjuvant-Current understanding and future developments-
青枝大貴
1
Aoshi Taiki
1
1大阪大学微生物病研究所BIKEN次世代ワクチン協働研究所ワクチン動態プロジェクト特任准教授
キーワード:
ワクチン
,
アジュバント
,
副作用
,
自然免疫
,
獲得免疫
Keyword:
ワクチン
,
アジュバント
,
副作用
,
自然免疫
,
獲得免疫
pp.35-48
発行日 2016年5月25日
Published Date 2016/5/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201606035
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
自然免疫の分子メカニズム研究の進展によってワクチンアジュバントの作用を分子レベルで理解できるようになり,獲得免疫応答を惹起するためには先行する自然免疫応答が重要であることが明らかとなりつつある。高度に精製されたワクチン抗原を用いて抗原特異的な免疫応答を誘導するためには,自然免疫応答を誘導するアジュバントの添加がほぼ必須である。しかしながら,非常にまれであるが,アジュバント添加ワクチンが上市前には予測し得なかった副作用をもつ場合もあり,アジュバントの添加に際しては有効性と安全性の両面からその科学的根拠を明確にする必要がある。アジュバントとして作用する物質は多種多様であり,より安全で効果に優れた次世代ワクチン開発には,対象疾患と標的抗原に最適なアジュバントを選択するための基礎的/臨床的なワクチンアジュバント研究が重要である。