特集 職業・環境アレルギーの最前線
Ⅰ.微細粒子吸入によるアレルギー性炎症発症のメカニズム
黒田悦史
1
,
小張真吾
2
,
日下部峻斗
3
,
石井健
4
Etsushi Kuroda
1
,
Shingo Kobari
2
,
Takato Kusakabe
3
,
Ken Ishii
4
1医薬基盤・健康・栄養研究所ワクチン・アジュバント研究センターアジュバント開発プロジェクト上級研究員/大阪大学免疫学フロンティア研究センターワクチン学研究室
2医薬基盤・健康・栄養研究所ワクチン・アジュバント研究センターアジュバント開発プロジェクト/横浜市立大学大学院医学研究科発生成育小児医療学
3医薬基盤・健康・栄養研究所ワクチン・アジュバント研究センターアジュバント開発プロジェクト特任研究員/大阪大学免疫学フロンティア研究センターワクチン学研究室
4医薬基盤・健康・栄養研究所ワクチン・アジュバント研究センターアジュバント開発プロジェクトプロジェクトリーダー/大阪大学免疫学フロンティア研究センターワクチン学研究室特任教授
pp.1448-1454
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201711016
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PM2.5などの大気中の微細粒子は免疫系を刺激するアジュバントとして働き,アレルギー性炎症を惹起・増悪すると考えられている。しかしながらそのメカニズムについては不明な点が多く残されている。最近になり,アレルギー性炎症を誘導する微細粒子が肺胞マクロファージの細胞死を誘導し,IL-1αを放出すること,IL-1αがIgEの誘導に重要であることが明らかになった。さらに微細粒子を吸入した肺では異所性のリンパ組織が形成され,慢性的な炎症とIgEの誘導に関与することが示唆されている。