特集 アレルギー性鼻炎の研究 アップデート
II.アレルギー性鼻炎におけるIL-33の関与
善本知広
1
Tomohiro Yoshimoto
1
1兵庫医科大学 先端医学研究所 アレルギー疾患研究部門教授
pp.682-690
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201305020
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わが国の季節性アレルギー性鼻炎(allergic rhinitis;AR)の有病率はこの10年間に19.6%から29.8%と著しく増加した。しかし,ARの発症機序は未だ不明な点が多い。その最大の理由の1つとして,花粉特異的ARモデルマウスが確立していないことが挙げられる。最近筆者らは,新規ARモデルマウスを樹立し,その発症に花粉刺激によって鼻粘膜から放出されるIL-33が必須の因子であることを明らかにした。本モデルマウスはAR発症機序の解明に止まらず,発症機序を基盤としたイノベーティブなAR治療・予防技術の開発に有用である。