特集 アレルギーとインターロイキン 最近の進歩
Ⅰ.IL-4,GATA3とアレルギー
細川裕之
1
,
中山俊憲
2
Hiroyuki Hosokawa
1
,
Toshinori Nakayama
2
1千葉大学大学院医学研究院免疫発生学/California Institute of Technology, Division of Biology and Biological Engineering
2千葉大学大学院医学研究院免疫発生学教授
pp.1472-1477
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201611012
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Th2細胞はIL-4やIL-5,IL-13を産生することでアレルギー疾患の発症や増悪,遷延に深く関与している。Th2細胞分化のマスター転写因子であるGATA3はIL-4シグナルによって発現誘導された後,翻訳後修飾状態の違いにより機能やターゲット遺伝子の異なる様々な複合体を形成し,Th2細胞の分化をコントロールしていることがわかってきた。このことから,GATA3の翻訳後修飾や特定の複合体形成を調節することは,副作用の少ないアレルギー疾患の新規治療戦略の開発に繋がるものと考えられる。