増刊号 産婦人科医のための緊急対応サバイバルブック
Ⅱ. 婦人科編
❸術後合併症への対応法
重症薬疹
長又 哲史
1
1神戸大学大学院医学研究科産科婦人科学分野
キーワード:
Stevens-Johnson症候群
,
中毒性表皮壊死症
,
drug-induced hypersensitivity syndrome
,
DIHS
Keyword:
Stevens-Johnson症候群
,
中毒性表皮壊死症
,
drug-induced hypersensitivity syndrome
,
DIHS
pp.136-140
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211214
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44歳,2経産の女性.子宮筋腫に対し腹腔鏡下子宮全摘術を施行後,術後5日目に発熱,炎症反応上昇を認めた.クスコ診にて少量の膿性帯下を認め,経腟エコーでは腟断端部に血腫を認めた.腟断端部の血腫,感染を疑ったため血液培養,腟培養を採取し,抗菌薬としてアンピシリン/スルバクタムを開始した.いったん解熱傾向となっていたが,抗菌薬開始後5日目に体幹の紅斑,水疱,口腔粘膜びらん,結膜充血と,38℃の発熱を認めた.抗菌薬を中止し皮膚科にコンサルトしたところ,表皮剝離面積は10%以下であった.紅斑部の迅速病理診断を行い,表皮細胞壊死を確認,眼科診にて偽膜形成を認め,Stevens-Johnson症候群の診断となった.
メチルプレドニゾロンパルス療法ののち,プレドニゾロン1mg/kg/日で開始し徐々に漸減,後遺症なく改善を認めた.
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