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特集 最近のトピックス2012 Clinical Dermatology 2012
4.皮膚疾患治療のポイント
重症薬疹の治療指針
Guidelines of treatment for severe drug eruptions
狩野 葉子
1
,
塩原 哲夫
1
Yoko KANO
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine,Mitaka,Japan
キーワード:
Stevens-Johnson症候群
,
中毒性表皮壊死症
,
薬剤性過敏症症候群
,
ステロイド全身療法
,
ヒト免疫グロブリン静注療法
Keyword:
Stevens-Johnson症候群
,
中毒性表皮壊死症
,
薬剤性過敏症症候群
,
ステロイド全身療法
,
ヒト免疫グロブリン静注療法
pp.115-118
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103261
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要約 Stevens-Johnson症候群,中毒性表皮壊死症の治療では,副腎皮質ステロイド薬全身投与を第一選択とし,重症例では発症早期にステロイドパルス療法を含む高用量のステロイド薬の投与を行う.ステロイド薬で効果がみられない場合には免疫グロブリン製剤静注療法や血漿交換療法を併用する.また,治療経過中に発症する感染症には十分に注意する.薬剤性過敏症症候群でもステロイド薬の全身投与が基本となるが,紅皮症状態,心不全,腎不全などの重篤な基礎疾患を有している場合には,早期からの投与が推奨される.経過中にさまざまなヒトヘルペスウイルス再活性化や感染症を引き起こすので,ステロイド薬の減量は急がずに行い,再燃時のステロイド投与は慎重に行う.発症5~7週目に生じるサイトメガロウイルス感染症は致死的な状態をもたらす場合が多いので,その徴候があれば,抗ウイルス薬を投与して対応することが大切である.
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