食物アレルギー~最近の話題・ガイドラインをふまえて~
Ⅰ.食物アレルギーを巡る国際的動向と診療ガイドライン改訂の狙い
海老澤元宏
1
Motohiro Ebisawa
1
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター副臨床研究センター長・アレルギー性疾患研究部 部長
pp.12-17
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201801012
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
食物アレルギーの疫学データを調査することは難しく,食物アレルギーの有症率は世界で増加傾向であると信じられているが,それを証明するデータは存在しない。原因食物はほとんどの国で鶏卵と牛乳が上位2品目を占めるが,それ以下は国によって異なる。食物経口負荷試験が日本のように一般診療として定着している国は少なく,ほとんどの国ではわが国のガイドラインで示されているような“できるだけ摂らせていく”という方針は実行できていないのが実情である。欧米の食物アレルギーの研究レベルは高いが,実際の診療レベルは日本が最も高いと確信している。