特集 抗原学 最近の進歩
Ⅰ.バイオテクノロジーの進歩と抗原学 1.アレルゲンコンポーネントを用いたアレルギー診断の臨床的有用性
海老澤元宏
1
Motohiro Ebisawa
1
1国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー疾患研究部部長
pp.13-20
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201701013
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1980年代後半から分子生物学的手法がアレルゲン解析の研究にも適応され,ダニ,花粉等の環境アレルゲン,食物アレルゲン等の解析がこの30年間に飛躍的に進んだ。現在までに3,000余のアレルゲンが同定され,その約半数ではリコンビナントが作られ,アレルギー診断の領域にも応用され始めている。粗抗原でスクリーニング後,特異的なコンポーネントを調べることで確実な診断が一部のアレルゲンで可能になっている。さらに多抗原に感作されている場合にアレルゲンコンポーネントを用いてアレルゲン免疫療法の適応を判断することも行われている。