特集 好酸球性炎症 アップデート
Ⅲ.好酸球の機能抑制
中込一之
1
Kazuyuki Nakagome
1
1埼玉医科大学呼吸器内科/アレルギーセンター 講師
pp.596-603
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201705032
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好酸球が,機能を発揮するには末梢循環から標的臓器へと浸潤することが重要で,血管内皮細胞接着分子への接着,血管内皮細胞間隙遊走反応,そして組織局所におけるcytokine/chemokineや脂質mediatorとの相互作用などが機能発現に関与する。臨床的には,抗IL-5抗体,ロイコトリエン受容体拮抗薬,吸入ステロイドなどが,直接的または間接的に,好酸球機能を抑制する。In vitroの実験系では,抗炎症性adipokineであるadiponectinや,抗炎症性脂質mediatorのprotectin D1の好酸球機能抑制効果が報告されている。