特集 アレルギーとインターロイキン 最近の進歩
Ⅷ.TSLPとアレルギー
藤澤隆夫
1
Takao Fujisawa
1
1国立病院機構三重病院院長/アレルギーセンター・臨床研究部
pp.1530-1535
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201611070
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TSLPは主に気道上皮細胞や皮膚のケラチノサイトから産生されるサイトカインで,樹状細胞や2型自然リンパ球(type 2 innate lymphoid cell:ILC2)に作用して,Th2型の免疫反応を誘導する。TSLPの産生は,気道上皮細胞に対しては,ウイルスやアレルゲン,大気汚染物質などが,ケラチノサイトには掻破などの物理的刺激などによって引き起こされる。喘息やアトピー性皮膚炎の病態形成に関わる重要なサイトカインであるが,抗TSLP抗体の臨床試験もはじまり,新たな治療ターゲットして注目されている。