Japanese
English
原著
新しいアレルゲン特異的IgE同時多項目測定検査Viewアレルギー39の特性に関する検討:MAST ⅣとImmunoCAPとの比較
Characterization of a novel multiple allergen-specific IgE assay system, ViewAllergy 39:comparison with MAST Ⅳ and ImmunoCAP.
長尾みづほ
1
,
藤澤隆夫
1
Mizuho Nagao
1
,
Takao Fujisawa
1
1国立病院機構三重病院臨床研究部
pp.796-801
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201706094
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背景:アレルゲン特異的IgE同時多項目測定検査であるViewアレルギー39(VA)はアレルゲン感作のスクリーニングに有用とされている。しかし,他の検査法と比較した特性は十分検討されていない。 目的:VAの検査特性を従来の同時多項目測定検査MAST Ⅳ(MAST)および単項目測定検査ImmunoCAP法(IC)との比較により検証する。 方法:アレルギー疾患患者からの血清をVA,MAST,ICを用いて測定,それぞれの検査法間の一致度を重み付けκ統計量によって評価した。 結果:VAとMASTは共通の34項目のうち,28項目で重み付けκ統計量≧0.4,17項目で≧0.6と一致を認めた。一方,VAとICは測定できた36項目すべてにおいて重み付けκ統計量≧0.4,35項目で≧0.6,さらに19項目では≧0.8と高い一致度を認めた。VAとMASTで一致しなかった6項目において,陽性判定の割合はいずれもVAが高かった。 結語:VAとICは一致度が高く,VAはICで定量的検討を行う前のスクリーニングに適すると考えられた。ただし,VAとICで用いられる抗原は同じであるのに対して,MASTは異なるため,VAとMASTで乖離する項目については症状誘発など臨床的解析を含めて,さらなる検討が必要である。