原著
新しいアレルゲン特異的IgE同時多項目測定検査Viewアレルギー39の特性に関する検討-第2報:アレルゲンコンポーネント特異的IgEとの関連
長尾みづほ
1
,
藤澤隆夫
1
Mizuho Nagao
1
,
Takao Fujisawa
1
1国立病院機構三重病院臨床研究部
pp.962-970
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201707126
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背景:同時多項目測定検査であるViewアレルギー39(VA)はアレルゲン感作のスクリーニングに有用とされている。一方,アレルゲンコンポーネント特異的IgE(以下,コンポーネント)は粗抗原特異的IgEより精度良くアレルゲン診断に応用可能とされる。 目的:VAのスクリーニング検査としての特性を明らかにするため,VAとコンポーネントの関連を検討した。 方法:アレルギー疾患患者からの血清をVAにて測定,同時にアスペルギルスコンポーネント(Asp f 1,Asp f 2,Asp f 3,Asp f 4,Asp f 6),イヌ皮屑コンポーネント(Can f 1,Can f 2,Can f 3,Can f 5),ブタクサコンポーネント(Amb a 1),リンゴ交差反応性コンポーネント(Bet v 1,Bet v 2,Pru p 1,Pru p 3,Pru p 4)それぞれに対する特異的IgE抗体を単項目検査法であるImmunoCAP®法(IC)にて測定した。 結果:VAによるアスペルギルス,イヌ皮屑,ブタクサ,リンゴ特異的IgEはそれぞれ対応するコンポーネント陽性例をほとんど陽性として検出した。Can f 1,Bet v 1,Bet v 2,Pru p 1,Pru p 4それぞれの陽性例では,対応するVAクラスと相関する傾向がみられた。 結語:VAはコンポーネント陽性をよく検出しており,スクリーニングに利用可能と考えられた。今回用いたコンポーネントはまだ発売されていないが,今後,症状誘発歴を含めた,より多数例の検討で,スクリーニングからアレルゲン診断へのフローを確立する必要がある。