特集 喘息の周辺疾患
IX.食物アレルギー
藤澤隆夫
1
Takao Fujisawa
1
1国立病院機構三重病院アレルギーセンター 副院長
pp.656-665
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201404074
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食物アレルギーの有病率は乳児で約5~10%,幼児で約5%,学童以降が1.5~3%,成人で2%程度で,増加傾向とされる。かつては発症予防のために妊娠中・授乳中の食事制限や離乳食開始を遅らせることが推奨されたが,最近の研究成果からこれらは否定されている。正確な診断には,多彩な症状を年齢,原因アレルゲン,病態などに応じて考慮しながら,よく問診を行うことである。最終診断は経口負荷試験で行うが,アレルゲンコンポーネント特異的IgE抗体測定は診断精度を上げるために有用である。治療管理の基本は必要最小限の除去食とアナフィラキシーに対する適切な対応である。