特集 アレルギー性鼻炎の研究 アップデート
III.アレルギー性鼻炎とTSLP
高野賢一
1
,
亀倉隆太
2
,
小島隆
3
,
郷充
4
,
澤田均典
5
,
氷見徹夫
6
Kenichi Takano
1
,
Ryuta Kamekura
2
,
Takashi Kojima
3
,
Mitsuru Go
4
,
Norimasa Sawada
5
,
Tetsuo Himi
6
1札幌医科大学耳鼻咽喉科学教室
2米国エモリー大学医学部病理検査学教室
3札幌医科大学附属フロンティア医学研究所分子医科学部門教授
4札幌医科大学耳鼻咽喉科学教室講師
5札幌医科大学第2病理学教室教授
6札幌医科大学耳鼻咽喉科学教室教授
pp.692-700
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201305030
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アレルギー性炎症のマスタースイッチであるTSLPは,アレルギー性鼻炎患者の鼻粘膜で高発現し,TLRリガンドや炎症性サイトカインによって鼻粘膜細胞から産生誘導される。さらにTSLPは鼻粘膜上皮内の樹状細胞を活性化し,樹状細胞による抗原取り込みを促進させると同時に,鼻粘膜上皮細胞自身の上皮バリア機能にも促進的に作用し,上皮バリアを介した抗原取り込み機構をサポートし,鼻粘膜の恒常性維持においても重要な役割を担う。