特集 アレルギーとインターロイキン 最近の進歩
序~アレルギー性炎症におけるサイトカインの役割~
森晶夫
1
Akio Mori
1
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター先端技術開発研究部部長
pp.1469-1470
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201611009
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アレルギー疾患は,単なる即時型過敏症でなく,慢性持続性の炎症に本態があるという指摘は1990年頃になされていた。2000年代には,抗サイトカイン製剤の臨床開発が進められる過程で,必ずしも効果が認められなかったことを根拠に,T細胞やサイトカインの役割を否定する風潮が主流になった時期もあった。2010年以降,特に抗IL-5抗体製剤の治験においてポジティブな結果が得られて,欧米で上市されるに到り(その後わが国でも承認,販売されている),アレルギー疾患における好酸球性炎症の意義,T細胞サイトカインの果たす役割が確認された。アレルギー疾患に関連するサイトカインは数多くあるが,この特集においては,特に,IL-4,IL-5,IL-10,IL-13,IL-17ファミリー,IL-25,IL-33,TSLPについてそれぞれのわが国のエキスパートの先生方から解説して頂く。