臨床外科トピックス 消化器外科領域におけるサイトカインとその周辺・3
重症膵炎におけるサイトカインの役割
村田 厚夫
1
,
田中 伸生
1
,
登田 仁史
1
,
宇田 憲市
1
,
林田 博人
1
,
加藤 健志
1
,
松浦 成昭
2
Atsuo MURATA
1
1大阪大学医学部第2外科
2和歌山医科大学第2病理
pp.761-767
発行日 1994年6月20日
Published Date 1994/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901569
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重症急性膵炎の死因の多くは,循環不全,呼吸不全,腎不全,肝不全,DICなどである.言い換えると,重症膵炎とは多臓器障害を伴う全身疾患であると考えねばならない.われわれは従来から,この考え方に従って重症膵炎を多臓器障害(MODS:multiple organ dysfunction syn-drome)としてとらえ,その発症機序にサイトカインとそれによって活性化される好中球が重要な役割を有することを報告してきた.
一方,最近,侵襲に対する生体反応を,感染,外傷,手術,熱傷などによってもたらされる全身性の炎症反応(SIRS:systemic inflammatoryresponse syndrome)としてとらえることが提唱され,このSIRSの病理病態にも各種サイトカインの関与が考えられている.
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