特集 蕁麻疹の最新知見
Ⅹ.内臓疾患と蕁麻疹
澄川靖之
1
Yasuyuki Sumikawa
1
1札幌医科大学医学部皮膚科学講座講師
pp.968-973
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201607088
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内臓疾患と蕁麻疹についてはこれまでにも論じられてきたが,本稿では関連の深いとされているSchnitzler症候群,甲状腺疾患,SLE,ピロリ菌を取り上げ,最近の研究結果から検討を行った。Schnitzler症候群は蕁麻疹の一亜型として知っておくべきであり,甲状腺疾患やSLEではその症状の1つとして蕁麻疹があると考えられた。またピロリ菌除菌の効果については相反する報告がある。いずれの疾患においても治療により蕁麻疹が治癒するというエビデンスに乏しいため,原疾患の治療を行うかはそれぞれの疾患のガイドラインに従うのが妥当と考えられた。