今月の主題 アレルギー疾患診療の実際
治療の実際
蕁麻疹
山本 昇壮
1
1広島大学医学部・皮膚科
pp.314-315
発行日 1991年2月10日
Published Date 1991/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900727
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ポイント
1)蕁麻疹の発症機序・原因は多様である.
2)多くの蕁麻疹の発現には皮膚の肥満細胞から遊離されるヒスタミンが関与する.したがって,その基本的病態は真皮上層部の浮腫である.
3)その遊離刺激にはアレルギー性のものと非アレルギー性のものがある.
4)多核白血球などの炎症細胞の浸潤を伴う場合もみられる.「遅発アレルギー反応」の関与が考えられる.
5)蕁麻疹の薬物療法の第一選択は,抗ヒスタミン薬(H1ブロッカー)である.H1ブロッカーにH2ブロッカーを併用することによって,より有効な場合もある.
6)炎症細胞浸潤がみられる蕁麻疹では,少量の副腎皮質ホルモンの投与が有効な場合もある.
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