シリーズ これだけは知っておきたい皮膚疾患の服薬指導 23
蕁麻疹
江藤隆史
1
,
大谷道輝
2
1東京逓信病院院長補佐兼皮膚科部長
2東京逓信病院副薬剤部長
pp.1097-1099
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201404015
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蕁麻疹(urticaria)は,一過性の(原則として個疹は24時間を超えて持続しない)膨疹(虫刺され様の浮腫性紅斑あるいは常色の隆起性皮疹)や紅斑が出没する疾患であり,多くは痒みを伴う(痒みを伴わない場合もある)。紀元前4世紀にイラクサによる皮膚反応として記載され,20世紀になって「蕁麻」という棘のある植物に由来するurticariaという名称が提唱され,定着している。英語ではhives,日常会話ではwhealあるいはwale(みみずばれ)と呼ばれる。一過性(多くは数時間で消退あるいは移動)を最大の特徴とするが,このような動きの速い皮膚症状を呈する疾患は他にない。血管性浮腫などのように,皮膚のより深いレベルで浮腫を生じるものでは,個々の膨疹が2~3日間持続することもある。