特集 膠原病研究 アップデート
Ⅷ.シェーグレン症候群~病態形成機序解明の試み~
吉本桂子
1
Keiko Yoshimoto
1
1慶應義塾大学医学部リウマチ内科
pp.1756-1763
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201512070
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
シェーグレン症候群(SS)の主症状は唾液腺や涙腺組織へ細胞が浸潤することにより起こる慢性唾液腺炎や乾燥性角結膜炎であり,関節炎,間質性肺炎などの腺外症状が出現する場合もある。この病態形成の詳細なメカニズムが不明であるため,著効を示す治療法が無く病態形成機序の解明が急務である。SS患者では血中IgG値の上昇や種々の自己抗体の血中濃度の上昇が認められ,B細胞の機能異常の病態への関与が重要視されている。このような背景からB細胞活性化因子であるBAFFを標的とした治療の試みが期待されている。