増刊号 Common Disease 200の治療戦略
膠原病
シェーグレン症候群
山本 一彦
1
1九州大学生体防御医学研究所内科
pp.456-457
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904159
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疾患概念と病態
シェーグレン症候群(Sjögren's syndrome)は,原因不明の自己免疫的な機序によると考えられる炎症が外分泌腺に出現し,目,口腔,鼻などに乾燥症状が発症する病態である.病型としては,膠原病の合併のない原発性(primary)シェーグレン症候群と,慢性関節リウマチなどの各膠原病と併発する続発性(secondary)シェーグレン症候群とに大別される.橋本甲状腺炎,慢性肝炎,原発性胆汁性肝硬変などと併発することもある.
臨床症状としては,口腔乾燥症(xerostomia)や眼乾燥症(xerophthalmia)を主体とし,鼻・腟乾燥症,気管支炎,間質性肺炎などの乾燥病態や唾液腺腫大がみられる.さらに,このほかに全身症状や臓器病変(腺外症状,extraglandular involvement)を伴うことがある.また,リンパ節腫脹,偽リンパ腫,悪性リンパ腫の合併などリンパ増殖性疾患の性格をも有する.
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