病気のはなし
シェーグレン症候群
山内 康平
1
1島根医科大学第三内科
pp.1050-1059
発行日 1993年12月1日
Published Date 1993/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901744
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サマリー
シェーグレン症候群は眼と口腔の乾燥症状を示す非特異的慢性炎症性疾患である.唾液腺や涙腺を主とする外分泌腺全般を標的とした原因不明の自己免疫疾患とされている.涙の分泌減少による眼の症状と唾液分泌低下による口腔症状が主体であるが,関節痛や筋痛,発熱やレイノー現象など症状も多彩である.呼吸器,消化器病変を伴うことも多く,甲状腺炎,婦人科疾患,低カリウムや耐糖能低下も合併しやすい.圧倒的に女性に好発し,検査上,アルカリ尿,腎尿細管障害,血算では白血球減少,貧血,時に血小板減少,血沈の亢進,高γ-グロブリン血症,自己抗体ではリウマトイド因子や抗核抗体など多彩に陽性を示し,抗SS-A抗体や抗SS-B抗体が本症に特異性が高い.
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