特集 膠原病研究 アップデート
Ⅶ.川崎病
阿部淳
1
Jun Abe
1
1国立成育医療研究センター研究所免疫アレルギー研究部研究員
pp.1748-1754
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201512062
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川崎病は,持続性の発熱と皮膚・粘膜の潮紅,眼球結膜の毛細血管拡張,そして時に冠動脈瘤を伴う全身の血管炎である。免疫グロブリン大量静注(IVIG)療法が標準治療として確立され,全身の炎症を抑えて冠動脈瘤の発症を少なくする効果が実証されている。しかし,不全型川崎病の診断,ハイリスク患者の層別化と初期治療プロトコールの改良,IVIG不応例に対するレスキュー療法の確立などの課題が山積しており,急性期の病態の理解とバイオマーカーの探索へ向けた研究が続けられている。