特集 アレルギー疾患のフェノタイプとエンドタイプ
VII.COPDを合併する喘息の病態と治療
玉田勉
1
Tsutomu Tamada
1
1東北大学大学院医学系研究科呼吸器内科学分野講師
pp.834-845
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201506060
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本来異なる疾患として理解されてきた喘息とCOPDの両者の特徴を有する症例は以前から知られていたが,近年,高齢者喘息およびCOPDの増加に加え,両者に有効な治療薬が相次いで登場するとともに注目されはじめ,Asthma COPD overlap syndrome(ACOS)と呼ばれるに至った。現時点では患者に合わせた有効な吸入指導を十分に行ったうえで中等量ICS/LABA配合剤を投与後でもなお効果が不十分であれば,ACOSの可能性を考えて,症状および客観的な指標を含む総合的な診断の下に,LAMAの追加投与を検討することが重要である。今後,ACOSの適切な診断とそれに基づく治療法の確立が望まれる。