内科専門医を志す人に・私のプロトコール
VII.神経系
西崎 統
1
1聖路加国際病院・内科
pp.1252-1253
発行日 1975年7月10日
Published Date 1975/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206145
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●臨床雑誌から新しい症候群を
内科専門医試験の受験対策の1つとして,人名のつく疾患または症候群について知っておかねばならない.日常診療において,比較的よくみられるものから,珍しい,また新しい症候群まである.これらは内科の各分野にわたっている.なかでも,とりわけ神経系疾患に多いように思われる.いずれにしろ,人名のつく疾患,また症候群は何千とあり,その中には疾患の概念すらはっきりしないものもある.膨大な知識を要求される医学において名前をみても,その疾患,症候群のわからないという非能率性を指摘されるが,一度知ってしまうといちいち説明をしなくてもよいという能率性も指摘されるであろう.今日病因が確定し,明確な疾患として取り扱われているものも,もとをただせば先輩達が一群の所見に遭遇して,その検討を重ねた結果,体系化され,病因および病態が確立されたものである.もちろん,何千とある人名のついた疾患,また症候群の全てを知る必要はないが,臨床研修中には,できるだけ多くを知るように努力することが望ましい.そのためにも,問題点の多い症例,また初めて経験する疾患については,成書または文献を一度は目を通しておくことが大切である.
内科専門医試験では筆答,口答にかかわらず,比較的新しい疾患,あるいは症候群についての知識を要求されることがある.その対策の1つとして必ず新しい学会雑誌また臨床雑誌に目を通す習慣は,私の経験上非常に効果があったと思われるので,とくにおすすめしておきたい.
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