特集 アレルギー疾患のフェノタイプとエンドタイプ
VI.小児気管支喘息のフェノタイプ・エンドタイプ解析
井上祐三朗
1
Yuzaburo Inoue
1
1千葉大学大学院医学研究院小児病態学
pp.826-832
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201506052
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小児気管支喘息には多様性があり,その背景には複数の病態が存在していると考えられている。 5歳までの乳幼児喘息/喘鳴のフェノタイプとしては,喘鳴発症の経過の違いによるTucson birth cohortの分類が有名であるが,近年ではlatent class analysisやクラスター解析を用いて,新たな乳幼児喘息/喘鳴のフェノタイプが同定されてきている。それらの乳幼児喘息/喘鳴の多様性に関わる病態としては,ヒトライノウイルスに対する応答の違いや,アレルギー性気道炎症に重要なIL-33シグナルの差異が考えられている。 6歳以上の小児気管支喘息については,現在筆者らが取り組んでいるmicroRNA発現を用いた新たなフェノタイプ・エンドタイプの同定の試みについて紹介する。