特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の機能検査―何がどこまでわかるか―
VII.嗅覚検査
橋本 喜輝
1
,
阪上 雅史
1
1兵庫医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.187-192
発行日 2003年4月30日
Published Date 2003/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100994
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I.はじめに
社会全体の生活水準が向上し,高齢化社会の時代を迎える昨今,生活の質が問われる時代となっている。われわれ耳鼻咽喉科医は五感のうち,聴覚,平衡覚,嗅覚,味覚と4つまでも担当するが,嗅覚と味覚は他の感覚と比べ不明な点が多い。特に,嗅覚は障害のメカニズムの解析や検査診断法,治療法のいずれにおいても発展途上にあり,社会のニーズに応えるためにもさらなる研究開発がわれわれ耳鼻咽喉科医にとっての急務であると考えられる。嗅覚は他覚的な評価が難しく,様々な試みが行われているが,臨床の場では自覚的な評価に頼っており,複数の検査を用いて評価することが必要である。
本稿では,現在行われている嗅覚検査法について述べる。
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