特集 アレルギー疾患のフェノタイプとエンドタイプ
VIII.肥満がフェノタイプに及ぼす意義
鈴川真穂
1
Maho Suzukawa
1
1国立病院機構東京病院臨床研究部生化学研究室/薬理研究室 室長
pp.846-851
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201506072
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喘息は,喘鳴と呼吸困難を主訴とする症候群であることが認識されている。近年,臨床的指標や病態学的指標に基づいた,喘息フェノタイプ分類が行われてきた。その中でも肥満関連喘息は成人発症,非アトピー性,女性に多いとされ,ステロイド薬に対する反応性が悪いことが知られている。肥満は,呼吸機能を低下させ,脂肪組織から産生される炎症性メディエーターや代謝恒常性維持に関わる因子の作用により,気道炎症や平滑筋収縮,リモデリングを引き起こす。肥満関連喘息においては,減量による体重減少が臨床症状を改善することが示されており,肥満と喘息に共通する合併症に対する治療も含めた適切な治療が重要と思われる。