特集 アレルギー疾患のフェノタイプとエンドタイプ
V.喀痰分析に基づく喘息フェノタイプと治療への反映
杣知行
1
,
永田真
2
Tomoyuki Soma
1
,
Makoto Nagata
2
1埼玉医科大学呼吸器内科,アレルギーセンター 講師
2埼玉医科大学呼吸器内科,アレルギーセンター 教授
pp.816-825
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201506042
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気管支喘息は多様性を有する炎症性気道疾患である。喀痰分析は直接気道の炎症状態を評価し,病態解析を踏まえたエンドタイプ分類を可能とする点で有用性が高い。誘発喀痰法によって採取される検体のうち,エンドタイプ分類に活用されるのは主として細胞成分であり,特に好酸球や好中球比率が中心となる。各種の分類基準が提唱されており,好酸球性喘息と非好酸球性喘息,あるいは好中球性喘息と非好中球性喘息などに分類される。最近は,〈1〉 好酸球優位型,〈2〉 好中球優位型,〈3〉 混合顆粒球型,〈4〉 顆粒球比率正常型に分類しての解析報告が増加してきている。本稿ではこれらの分類に基づいた各病型の臨床的特徴と治療に関して述べていく。