Japanese
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特集 呼吸器疾患におけるプロテオミクス解析の現状と将来
気管支喘息のプロテオミクス解析
Proteomics in Asthma
広田 朝光
1
,
原田 通成
1
,
玉利 真由美
1
Tomomitsu Hirota
1
,
Michishige Harada
1
,
Mayumi Tamari
1
1理化学研究所遺伝子多型研究センターアレルギー体質関連遺伝子研究チーム
1Laboratory for Genetics of Allergic Diseases, SNP Research Center, RIKEN Yokohama Institute
pp.1305-1309
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100501
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はじめに
プロテオミクスはゲノム情報から派生した包括的なタンパク質情報を対象として研究する生物学であり,近年,急速に進歩している分野である.2次元電気泳動によって分離されたタンパク質のスポットを質量分析することによって,迅速で正確なタンパク質の同定が可能となり,また,経時的に取得したサンプル間で2次元電気泳動のスポットを質量解析により比較することによってタンパク質の発現量,アイソフォームの存在,スプライシングバリアント,翻訳後修飾についての解析が可能となっている.これまで,プロテオームの高度な複雑性による分析の困難さと質量解析により生じる莫大なデータ処理など,多くの課題があったが,もはや今日ではプロテオミクスは生命科学において不可欠の手段となった.タンパク質の分離,質量解析,バイオインフォマティクスの更なる技術発展が,体液や組織などの臨床検体から抽出される極微量のタンパク質によるプロテオミクス解析を可能にし,臨床分野への導入を押し進めている.
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