特集 アレルギー疾患のフェノタイプとエンドタイプ
IV.呼吸機能と喘息フェノタイプ
坂上拓郎
1
,
長谷川隆志
2
Takuro Sakagami
1
,
Takashi Hasegawa
2
1新潟大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科
2新潟大学医歯学総合病院医科総合診療部病院教授
pp.808-815
発行日 2015年5月15日
Published Date 2015/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201506034
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二十世紀後半の分子生物学,遺伝医学の進歩により個別化医療(Personalized Medicine)が実現しようとしている。しかし,喘息のような多様性に富む疾患は,その表現型(Phenotype:フェノタイプ)の分類が確立しておらず,その実現のためのプロセスは緒についたばかりである。細分化された遺伝学的病因(Genotype)に注目が集まった時期を経て,現在再びフェノタイプの同定が今後の疾患研究,個別化医療の実現に重要であるという認識が広まりを見せている。本稿では,喘息フェノタイプの1つと考えられる呼吸機能に注目する。