特集 アレルギーとエピジェネティクス
II.各 論 1.免疫とエピジェネティクス(基礎研究の知見)
小野寺淳
1
,
中山俊憲
2
Atsushi Onodera
1
,
Toshinori Nakayama
2
1千葉大学大学院医学研究院免疫発生学
2千葉大学大学院医学研究院免疫発生学 教授
pp.1864-1873
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201412036
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アレルギー疾患の発症には遺伝的要因と環境的要因の両方が関与するため,その両者の橋渡しとなるエピジェネティックという概念が近年注目されている。エピジェネティックとは,遺伝子をコードするDNAを取り巻く環境を意味し,ポリコーム(PcG)やトライソラックス(TrxG)などの制御因子により後天的に変化する。本稿では,免疫系の中でもエピジェネティック研究が比較的進んでいるT細胞に焦点を当て,PcGやTrxGの欠損マウスでの知見を中心として紹介する。これらの知見がアレルギー疾患克服の足掛かりとなれば幸いである。