特集 アレルギーとエピジェネティクス
I.総 論 1.エピジェネティクスの基礎(エピジェネティクスを制御する分子機構)
本田瑞季
1
,
堅田明子
2
,
中島欽一
3
Mizuki Honda
1
,
Sayako Katada
2
,
Kinichi Nakashima
3
1九州大学大学院医学研究院応用幹細胞医科学部門基盤幹細胞学分野
2九州大学大学院医学研究院応用幹細胞医科学部門基盤幹細胞学分野 助教
3九州大学大学院医学研究院応用幹細胞医科学部門基盤幹細胞学分野 教授
pp.1841-1847
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201412013
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ゲノム解読が完了した現在,遺伝子配列だけでは理解できない様々な生命現象を解き明かす鍵となるのが「エピジェネティクス」である。生物は,様々な外的因子に応じて,クロマチンの構造変化を誘導することで遺伝子発現を調節するシステムを携えている。これは,生物が多様な環境変化においても,安定して生育する頑健性を保障する一方,破綻は,癌や生活習慣病などの疾患を引き起こす。今後,エピジェネティクスの解析は,生命現象の理解に留まらず,疾患の発症機構の究明や治療法開発においても一翼を担う重要なものになると考えられる。