特集 全身から考えるアレルギー性結膜疾患
Ⅰ.基 礎
1.粘膜バリアの破綻によるアレルギー性炎症発症の機序
平原潔
1
,
岡野美樹子
3
,
中山俊憲
2
Kiyoshi Hirahara
1
,
Mikiko Okano
3
,
Toshinori Nakayama
2
1千葉大学大学院医学研究院免疫発生学准教授
2千葉大学大学院医学研究院免疫発生学教授
3千葉大学大学院医学研究院免疫発生学/順天堂大学大学院医学研究科眼科学
pp.872-878
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201807872
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眼瞼結膜をはじめとする粘膜組織は,外界からの異物進入に対して物理的なバリアとして働くと同時に,様々な受容体を介して外部からのシグナルを感知する。近年,粘膜上皮由来の“上皮サイトカイン”がアレルギーの発症に深く関与していることが明らかになった。本稿では,粘膜バリアの一例として上下気道に焦点を当て,近年,われわれのグループが同定した新規IL(interleukin)-33のターゲット細胞である記憶型病原性Th2細胞および異所性リンパ組織のバリアにおける役割を紹介する。