特集 アレルギーとエピジェネティクス
I.総 論 3.エピジェネティクスに基づく技術開発と創薬
小林大貴
1
,
伊藤昭博
1
Hiroki Kobayashi
1
,
Akihiro Ito
1
1理化学研究所 吉田化学遺伝学研究室
pp.1856-1863
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201412028
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近年,エピジェネティクスの異常が,がんの発生・悪性化や炎症・アレルギー疾患などに関与することが明らかになりつつあり,エピジェネティクス制御因子は疾患の治療標的として注目されている。実際,DNAメチル化酵素阻害剤である5-アザシチジンは骨髄異形成症候群の,ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であるSAHAとFK228は皮膚T細胞リンパ腫の治療薬として用いられている。エピジェネティクス制御因子を標的とした化合物はエピジェネティック情報を人為的に操作する技術の中核を担うため,その開発の重要性は今後ますます強くなっていくと考えられる。