特集 好酸球性炎症 アップデート
Ⅰ.IL-5産生機構
八木良二
1
,
中山俊憲
2
Ryoji Yagi
1
,
Toshinori Nakayama
2
1千葉大学大学院医学研究院免疫発生学特任准教授
2千葉大学大学院医学研究院免疫発生学教授
pp.578-588
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201705014
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アレルギーや自己免疫疾患の発症は,これまでTh1/Th2細胞のバランスの破綻によって引き起こされると考えられてきた。しかし,我々は記憶Th2細胞の中にIL-5を高産生する細胞集団が存在することを発見し,この細胞集団が炎症を誘導・悪化させる原因となることを明らかにしてきた。この細胞集団を病原性記憶Th2細胞と名付け,この細胞自体が病気を発症する原因になるという新しいモデルを提唱している。さらに,病原性記憶Th2細胞の重要な機能の1つであるIL-5産生は,転写因子GATA3の翻訳後修飾によって厳密に制御されていることを明らかにした。