特集 最近の大気汚染とアレルギー疾患
III.室内環境とアレルギー 3.化学物質
小池英子
1
Eiko Koike
1
1国立環境研究所環境健康研究センター生体影響研究室主任研究員
pp.1546-1556
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201410092
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近年,アレルギー疾患は若年層を中心に急増している。これには,環境因子が大きく寄与していると考えられるが,その一要因として,建材や生活用品に由来する室内環境中の化学物質の影響が注目されている。実際に,室内空気やハウスダスト中の化学物質と小児の喘息やアレルギー疾患との関連性が示唆されている。また,複数の化学物質で免疫担当細胞の活性化によるTh2サイトカインの産生増加や,組織における炎症反応の促進等,アレルギー増悪に寄与する影響が認められている。