書評
—日本アレルギー学会,日本呼吸器学会 監修 「アレルギー性気管支肺真菌症」研究班 編—アレルギー性気管支肺真菌症の診療の手引き
西村 善博
1
1神戸大学病院・呼吸器内科学
pp.153
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226687
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アレルギー性気管支肺真菌症(allergic bronchopulmonary mycosis:ABPM)の診断には1977年にRosenberg,Pattersonらが提唱したABPAの診断基準が用いられてきた.40年以上前に提唱されたものである.近年の医療とのギャップを感じることもあったのだが,本書では日本人におけるABPMの病態を明らかにし,新たな診断基準が示された.
本書発刊に至るまでには,東海大学呼吸器内科学教授の浅野浩一郎先生を研究代表者とする「アレルギー性気管支肺真菌症」研究班の多大なる努力があったものと思われる.この研究班の前身は,2013年に厚生労働科学研究の難治性疾患等克服研究事業の下に設置されたものであり,本書は長年にわたる調査・研究の集大成といえる.研究代表者の浅野先生はこの分野の第一人者であり,浅野先生を中心にアレルギー学・呼吸器内科学研究者の精鋭たちが結集し,ABPMに関する最新の知見がまとめられた.
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