特集 アレルゲン免疫療法~臨床の最前線~
VII.スギ花粉症に対する舌下免疫療法
後藤穣
1
Minoru Gotoh
1
1日本医科大学多摩永山病院耳鼻咽喉科部長・病院教授/日本医科大学耳鼻咽喉科准教授
pp.1094-1101
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201407066
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I 型アレルギー疾患の根治療法としてアレルゲン免疫療法がある。免疫療法は数年間治療を行うと治療終了後も効果が持続し,長期寛解を誘導できるといわれているが,注射法ではアナフィラキシー反応など副作用の危険性があり本邦では十分に普及していない。舌下免疫療法はそのようなデメリットを改善した方法で,安全に免疫療法を行うことができる。日本ではスギ花粉症に対して舌下免疫療法が医師主導で研究され,2010年秋には国内第 III 相試験がスタートした。免疫療法はこれまでアレルギー治療の選択肢として軽視されてきたが,舌下免疫療法が実臨床で使用可能になれば,重要な治療オプションになることが期待されている。